JR東日本は、政府や東京都、国際オリンピック委員会(IOC)など5社協議の決定を踏まえ、東京2020オリンピック期間中の臨時列車の運転計画を変更しました。
東京2020オリンピック大会では1都3県会場で無観客開催となることが決定したことを受け、JR東日本は、首都圏21路線で計画していた終電以降の深夜時間帯の臨時列車の運転を取り止めることを2021年7月9日(金)に発表しました。これに加え、1都3県以外の会場の観客受け入れ内容が順次決定したことを踏まえ、大会期間中の輸送計画を変更することが発表されました。
具体的には、1都3県の競技会場および茨城県立カシマスタジアム(茨城県鹿嶋市)の最寄り路線となる在来線(京葉線、川越線、横浜線、武蔵野線、総武快速線・総武本線・成田線・鹿島線)の臨時列車の運転が取り止められます。また、有観客開催となる宮城スタジアム(宮城県利府町)での競技後に設定されていた、東北新幹線の臨時列車についても運転を取り止めることが決まりました。そのほか、開会式(7月23日(金・祝))前の7月21日(水)・22日(木・祝)に増発を予定していた山手線、京浜東北線、横浜線、東海道線、総武快速線・総武本線・成田線・鹿島線についても、すべての臨時列車の運転が取り止められます。
この結果、大会期間中に臨時列車の運行が行われる路線は、在来線の東海道線・伊東線および仙台地区各路線のみと大幅に縮小されました(時刻表は下表を参照)。
自転車競技(マウンテンバイク)が行われる伊豆MTBコース(静岡県伊豆市)の最寄駅、伊東駅を利用する観客輸送のため、東海道線・伊東線に臨時普通列車が運転されます。運転日は7月26日(月)・27日(火)の2日間で、小田原駅〜伊東駅間に1日1往復運転されます。E231系またはE233系車両10両編成が使用され、途中停車駅は熱海駅のみです。
宮城スタジアムでのサッカー競技開催に合わせ、仙台駅から最寄駅の利府駅を結ぶ東北本線・利府線の臨時列車が運転されます(運転日は7月21日(水)・24日(土)・27日(火)・28日(水)・30日(金)・31日(土))。また、多賀城駅から会場までのシャトルバス運行日となる7月28日(水)・31日(土)には、仙石線のあおば通駅〜多賀城駅間にも臨時列車が運転されます。
試合終了時間の遅い7月21日(水)・24日(土)・27日(火)・28日(水)には、観戦者の帰宅の利便性を確保するため、上記2区間で最終列車より遅い深夜時間帯にも臨時列車が運転されます(仙石線は7月28日(水)のみ)。それに加え、仙台駅を深夜に発車する臨時列車が3路線に設定されます(時刻表は下表を参照)。
東北本線では、仙台駅1:22発の上り白石駅行、1:01発の下り小牛田駅行が運転されます。仙山線の仙台駅1:15発の山形駅行は、愛子駅までの各駅と、作並駅、山寺駅、羽前千歳駅、北山形駅にのみ停車します。また、仙石線ではあおば通駅23:37発(仙台駅23:38発)の本塩釜駅行定期列車が高城町駅まで延長運転されるほか、あおば通駅1:07発(仙台駅1:10発)の高城町駅行臨時列車も運転されます。なお、前述の通り東北新幹線に計画されていた、一部深夜時間帯を含む仙台駅発の臨時列車はすべて運転取り止めとなっており、いわゆる「夜行新幹線」は実現しないことが決まりました。
そのほか、無観客開催となった福島あずま球場でのソフトボール競技開催に合わせ、7月21日(水)・22日(木)に東北新幹線の臨時列車が設定されていましたが、これらは計画通り、通常の臨時列車として運転されます(時刻表は下表を参照)。
東京2020オリンピック期間中の臨時列車の詳細な運転時刻は、JR東日本の特設ページおよびスマートフォンアプリ「JR東日本アプリ」(7月20日(火)以降)で確認することができます。
なお、カシマスタジアムでの競技開催日に鹿島臨海鉄道が大洗鹿島線で予定していた臨時ダイヤは、東京2020大会組織委員会から観客輸送の協力依頼が取り下げられたとして、実施が取り止めとなっています。